FOMC fed watch 2022/09/22

本日、FOMCは予想通り0.75%の利上げが発表された。FFレートのレンジも3~3.25%。FOMC声明文も特に内容は変わっていない。将来のFFレートに関するFRBメンバーたちの予想、そのコンセンサスは今年の年末で4.4%。サプライズはなかった。

また、労働市場が非常に過熱しているといううコメントがあった。今、住宅市場、GDP、物価も下落してきているにも関わらず、労働市場だけは全然衰えを見せてない。

求人倍率を見ると、求人数2に対して、求職者数1ということで非常に倍率高い。求人の口が非常に多く、良い人材を採用しにくいという環境だということを表している。それが賃金インフレをもたらすリスクがある。

特に今回興味深かったのは、本来であればパルエル議長は「物価が沈静化するまでは、その金融引き締めを続けたい」と言うべきところを「賃金上昇がスローダウンするまでは、金融引き締めをやめない」と発言した。途中で訂正したんだけど。

物価が沈静化するまでは、金融引き締めを続けますというのは、スムーズに頭に入ってくる内容だ。しかし、賃金上昇が鈍化するまで、FRBは金融引き締めを続けると言うと、あたかもFRBが労働者に対して賃金上がらないように嫌がらせしてるような印象を与える。

賃金上昇に関して、議長が記者会見の中で、直接それを抑え込むことに言及するのは非常に稀なことである。政治的にまずいから建前上、言えないのだ。

賃金上昇が鈍化するまで金融引き締めを続けるという発言は、深層心理で考えてる本音がポロッと出てしまったと捉える声は少なくないだろう。生産性の向上を伴わない賃金の上昇、これほどFRBにとって恐ろしいことはない。

エネルギー価格や穀物などの価格の高騰というのは、それほど問題ではない。しかし、賃金インフレというのは、一度それが起こり始めると、癖になる。インフレ退治があとでものすごく難しくなる。

生産性の向上なき賃金上昇は中央銀行(FRB)にとって、どうにかして抑え込みたい事象なのだ。

 

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする