損切りができない人への処方箋|気持ち良い損切りの仕方

損切りができない人は共通して相場に対峙する本気度が足りません。

相場に参加している以上、損をしたくないのは皆、共通していますが1トレードに対する思考の深さは人によって異なります。損をしたくない気持ちとトレードスコアに関係性はありませんが、損をしたくない気持ちから生じる思考の深さが肝です。

思考の深さとは、相場に参入する際のシナリオの質と深い結びつきがあるでしょう。海千山千の相場環境で、自身がどのフィールドに対して、どのような戦術でトレードに臨むのか。その思考の深さは長年の経験や、トレードを行う者の知見など、複雑な要素が絡み合ってくるでしょう。思考の深さは情報のインプット、訓練によって強化することができます。

自身の納得のいくシナリオが構築されていることで場当たり的なトレードが回避され、「こうなってしまったら損切りする」という根拠のある損切りができるようになります。よく聞く内容ではありますが、それに尽きます。つまらないことを地道にコツコツと積み上げられるかどうかです。

損切りの本質は、シナリオ構築力にあり、そのシナリオは大切な資金を守ることに繋がります。

個人投資家は、自身を監視してくれる存在がいないことからシナリオ構築をせず適当なトレードに臨んでしまう方が多い傾向にあります。シナリオ構築をしない理由の本質は「面倒くさいから」。

面倒くさいからシナリオ構築せず、感情に任せてトレードをしてしまう。なんとなく勝てそうだからノリでエントリーしてしまう。そんなところでしょう。

損切りができるようになるための本質はトレードシナリオの構築力に尽きます。しかし、シナリオを構築できるようになるためには、それなりの勉強と経験が必要になります。

  • 投資歴が長い
  • トレード歴がそれなりにある
  • 過去にトレードで出した額面利益がそれなりにある

シナリオ構築力に、この手の根拠は全くアテになりません。中身のない自信だけが助長され、負けを加速させ続け、永遠と市場で搾取され続けるだけです。

シナリオ構築には、裏付けされた体系的な理論が必要になります。理論なくして相場の世界で寿命が尽きるまで生き残ることはできません。(1ヶ月ぐらいなら、適当なトレードで生き残ることができる人はいるでしょう)

面倒くさい人が損切りできるようになるための処方箋

シナリオ構築力を身に着けるためには、それなりの勉強と経験が必要になります。多くの人は、そのような面倒なことは回避したいのが正直なところでしょう。

内容が多くなってしまうので、ここでは対症療法として、本質的な損切りができるようになるまで、相場に殺されないための最低限の損切りルールを2つだけお伝えします。この2つを意識するだけで、再起不能になるまで損を引っ張ってしまう確率は大幅に下げられます。(システム障害など、不測の事態は除きます)

損切りラインとの距離は短いか

損切りしても良いと考えられるラインに対して、自身がエントリーしようとしているラインが遠いと損切りができなくなります。

0~100を行き来するレンジ相場の中間、50地点でロングエントリーした時、損切りしても良いと考えられるのはボックスを下に抜けた-10の地点としましょう。損切りができない人が陥る値動きとして、50地点から緩やかに40,30,20,10と時間をかけて落ちていくと、損切りをする踏ん切りがつかないまま損切りラインを迎え、その後もズルズルと損を肥大化させていく傾向があります。

50地点から30,60,40,50,30,70,40とランダムに時間をかけて上下してから0を割るときは、人間の心理として損切りをする心の準備ができるので助かりやすいのですが、相場は待ってくれません。

今なら勝てるとその時は思ったとしても、未来の値動きは誰にも分かりません。事前の予防策として、損切りラインが遠い場所ではエントリーしないようにしましょう。

損切りをしたらローソク足数本分はエントリーしない

「損切りをしたら思惑とは真逆の方向に価格が動いて損切りしないほうが良かった」

損切りしてから価格が戻ることはよくあるので、相場参加者であれば誰しもが経験したことのある内容です。だからといって損切りを先送りすると、いつか致命傷を負って再起不能になるのは自明です。

また、ドテンエントリーをし続けていると値動きに振り回されることになります。

「下がると思ってショートしたら、価格が戻ってしまってロングし直すことになった」
「ロングし直したら今度は価格が下がってしまい、下値を抜けそうになったのでショートし直したらまた価格が上がり、戻ってしまった」

ドテンエントリーの罠にハマり、損切り貧乏にもなっていきます。そもそも、ドテンする時点で前述の損切りラインとの距離が遠かったり、値段が動かない時間帯にトレードをしているがゆえにレンジ相場な状況だったりと、優位性のない状況でトレードしている可能性が高いです。

ドテンエントリーは封印し、損切りをしたらロウソク足数本分はエントリーしないことを心がけるだけで、将来の無駄な資金ロスト・負の感情に陥ることを回避することができるようになります。

以上、2点が損切りができなくなる人のための事前予防ルール、処方箋になります。本質的な気持ちの良い損切りができるようになると、損を積み上げ続ける負の感情でトレードの時間を過ごすことがなくなるので晴れやかな気持ちで日頃のトレードをすることができるようになります。しかし、それができるようになるためにはシナリオ構築力が必要です。

シナリオ構築力については、また別の機会にでもお話します。

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